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僕は天使ぢゃないよ

渋谷の映画館で開催中の緑魔子特集にて、昔から機会があれば観よう観ようと思っていた映画を鑑賞。 知名度が高いせいか、先日観たやさしいにっぽん人を凌駕する混みっぷり。

僕は天使ぢゃないよ (1974)

あがた森魚の初監督作品。
出演者は、ちょっとした友情出演も含めると、横尾忠則、大滝詠一、桃井かおり、鈴木慶一、泉谷しげる、青林堂の永井会長、岡本喜八、三上寛、井上堯之、友部正人と豪華絢爛な70年代を彩る錚錚たる面々。緑魔子は妖しい年増の情婦役。妖艶なり。

音楽についても、あがた森魚と大瀧詠一によるもので、出演者の顔ぶれに負けず劣らず素晴らしく、本職”音楽家”に恥じない名盤。

さて、音楽と出演者は豪華なのだが、果たしてその内容や如何。
原作が林静一の”赤色エレジー”なので申し分なさそうに考えていたが、あがた森魚のオリジナリティてんこ盛り。
ひとつひとつのシーンにおけるモチーフに、独自の視線とユーモアたっぷりのセンスが感じられるが、その演技、カメラワークに霰もない素人臭さ。初初しいというよりも、羞恥心を持ち合わせていないかのような大胆さ。
原作ものの映画にも関わらず、表現されているのは あがた森魚 自身だ。

見所の一つは、若かりしあがた森魚の長髪姿の醜さ。笑顔がキモチワルイ。ホント、あらゆる面であがた森魚の特異さを堪能する映画だなあ、と思っていたのだが、森魚ファンに言わせると「長髪姿が素敵」。
・・恋する乙女は怖い。

  1. 乙女の儚夢 [1972]
  2. 僕は天使ぢゃないよ [1974]
  3. あがた森魚ややデラックス [2009]
    1. >> 緑魔子出演映画

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緑魔子 やさしいにっぽん人

渋谷の映画館シネヴェーラにて緑魔子特集が催されている。
GWは、例年通りひたすらに篭る連日だが、夜の渋谷に足を運ぶ。

やさしいにっぽん人 (1971)
監督:東陽一

昭和アングラ映画らしい自己探求映画。社会・戦後に対する各個人の主張、意志が求められる中で喋れない男女ふたり。思弁的な台詞の連続に、散文的なドキュメンタリー風モノクロ映像。気を引き締めないと睡魔に抗えないような映画だが、緑魔子の魅惑的でありながら清涼感のある歌声、ささやき、笑い声、随所に散らばる情交(おしげもない微乳)が彩りとなり鑑賞後はストンと落ち着いた心象。緑魔子の切ない歌が絶大。

劇中、悩む主人公は、ひとりバイクでの旅を志す(イージーライダーのキャプテンアメリカに憧れて?)。アメリカのロードムービーとは異なり、田舎顔で小太りの主人公、ハーレーではない単車、途中で挫折しての帰宅など、日本的な様にならない閉塞感が感じられて印象深い。先ほど、監督がドキュメンタリー作家と知り納得。

>> 緑魔子出演映画

カモとねぎ

緑魔子特集にて、やさしいにっぽん人と同時上映だったのが、この映画。

カモとねぎ (1968)
監督:谷口千吉

詐欺師トリオに謎の美女(というか美少女)が絡んでのドタバタコメディ。若々しい高島忠夫や、東野英治郎(黄門様)演ずる悪徳社長のやられっぷりが嬉しい。
ヴェトナム反戦、公害問題が絡んでくるのは当時の映画のお約束。

やさしいにっぽん人より3年前に公開された映画だが、ここでの緑魔子はとても同一人物とは思えない。やさしいにっぽん人での緑魔子が消え入りそうな切なさが目を惹いたのに対して、騒々しくキュート。ファッションも、ロングヘアにジーンズと花柄シャツ(もしくは裸体)であったのが、ショートヘアにミニスカ。
そもそも主題も客層も真逆なのだから印象の違いは当然かもしれんが、別人でビックリ。

私は、もちろん、やさしいにっぽん人での緑魔子に一票を投じます。

>> 緑魔子出演映画

薔薇の葬列

ピーター主演の映画が再上映されている。昭和元禄ゲイMOVIE。
薔薇門が衝撃だった私は、同じ期待を旨に映画館へ足を運びました。
(そういえば、”鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?”の問いかけは、寺山修二の”毛皮のマリー”でも重要な一節ですね。美醜のジレンマが当時のゲイ世界に対する関心の共通項目なのでしょうか。)

薔薇の葬列 (1969)
監督:松本俊夫

劇場のビラにて、監督が”ドグラマグラ”の監督だと気づく。
映画版ドグラマグラ、鑑賞したものの、内容が全く思い出せない私は、そのとき、爆睡を覚悟しましたが、ところがどっこい、素晴らしい内容。オモチロかったです。

時系列と、彼岸(物語内部と撮影側と)が入り混じる眩暈は、昭和アングラならではの構成ですが、不条理、難解になりすぎることなく刺激的。良かったなあ。
出演者の大半が、素人役者のゲイ・ヴォイスで、これまた薔薇門好きは見逃せません。

ただ、オープニングで特別出演者のテロップに気づいてしまうと、ラストの一つの落ちが容易に予測できてしまうので、そこは敢えて見なかったふりをするのが、正しい鑑賞方法です。

妖怪大戦争

随分前にツタヤの中古で購入したビデオを酒のつまみに眺める。

妖怪大戦争 (1968)
監督:黒田義之

古代バビロニアの吸血妖怪ダイモンVS日本妖怪。於江戸時代。
なぜか関西弁の"油すまし"が、なぜか日本勢のリーダーなのだが、頭でっかちの体型と、高い声音が子供っぽくて変な感じ。
そのほか、なぜか九州なまりの"ぬっぺぽう"、なぜか土佐弁の"ろくろ首"、唯一もっともな感じの江戸っ子"河童"、と無根拠に全国集合的な妖怪集団だが、東北なまりがいないのはなぜだろう?ほかの妖怪は皆、標準語です。

ほのぼのしたユルさで、深夜の一人酒のお供には最適かと。

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プロフィール
うちんこ

1970年代後半生まれの、うちんこです。60年代、70年代の、洋の東西関係なくサイケデリックな音楽、映画を好むマイノリティです。

うちんこのサイト:千馬堂

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